1000年近く前より存在する世界三大騎士団のマルタ騎士団。
もともとはカトリック教徒の聖地エルサレムへの教徒巡礼を手助けするために11世紀に設立された騎士団です。
現在は名前こそ『騎士団』ですが、主な活動内容は軍事的な活動ではなく紛争、貧困、などによる不足した医療や食料の援助、そして教育の援助などの人道的活動をしている素晴らしい慈善団体です。
国連にもオブザーバーとして出席しており、『国土を持たない国』という特殊な権威を持った団体です。
ですがそんな長きにわたり慈善団体として活躍してきたマルタ騎士団ですが、実は『マルタ騎士団の闇の部分』があるのはご存知でしょうか?
今回はそんなマルタ騎士団の闇の部分について解説したいと思います。
世界的にも素晴らしい慈善団体であるマルタ騎士団にも闇の部分・スキャンダルはあるんでしょうか?
マルタ騎士団の闇 コンドームと宗教の問題
1つ目のマルタ騎士団の闇はマルタ騎士団とコンドームの問題です。
マルタ騎士団とコンドームと聞いて『この2つがどんな闇の関係があるの?』と思った方は多いと思います。
実はこれは現代医療と宗教の考え方の違いから生まれたややこしい問題なんです。
事件が起きたのは2016年、慈善団体であるマルタ騎士団はミャンマーやアフリカで通常通りの人道的活動(医療援助や食料援助)をしていました。
その当時のミャンマーやアフリカで問題となっていたのが、性行為よるエイズ(HIV感染)でした。
マルタ騎士団は医療行為や予防医療が本来の活動内容なので、当然HIVの感染拡大を防ぐためにコンドームの使用を現地で推奨し、実際にコンドームを配布したのですが、これが大きな問題を引き起こします。
実はカットリックでは、『コンドームや経口避妊薬などの使用は神の意思に(自然に)反しており、人為的に命の誕生を妨げることは神への冒涜である』という考え方なのです。
このマルタ騎士団はもちろん真の献身的なカトリックです。
そのためマルタ騎士団トップのフェスティング団長が、当時現地でマルタ騎士団のコンドームの配布を許可したベーゼラガー外務官を解任してしまったのです。
うーん、医療援助の側面からHIV感染拡大を防ぐためにコンドームの使用を推奨したいけれど、一方でコンドームはカトリックの教えに反することになってしまうんですね…
解任されたベーゼラガー外務官がローマ法王に直接訴えかけ、ベーゼラガー外務官の解任に『まった!』をかけたのがカトリックの総本山、バチカンのローマ法王でした。
この時ローマ法王はベーゼラガー外務官を解任したマルタ騎士団団長のフェスティング団長にこの件に関する調査(バチカンの介入)を要求します。
バチカン側はコンドームの使用を許可したベーゼラガー外務官を擁護したのです。
ですがこのバチカンの調査が介入することをフェスティング団長は拒否してしまったのです。
そもそも全てのカトリック教徒はバチカンに忠誠を誓っており、バチカンの意向に逆らうことはカトリックに逆らうことと同じになってしまいます。
ですがこれがバチカン(カトリックの総本山)の怒りを買ってしまい、バチカンとマルタ騎士団との対立が生まれてしまします。
結局、フェスティング団長は辞任に追い込まれ2017年1月25日にローマ法王の前で辞任しています。
バチカンに逆らったら終わりというマルタ騎士団の闇というか、カトリックの闇ですね。
そもそも2010年に、当時のローマ法王ベネディクト16世はそれまでカトリックとしては容認していなかったコンドームの使用を、HIV感染予防の観点から『条件付きで容認する』と発表していましたので、今回のケースで解任されてしまったベーゼラガー外務官が正しいと思うのですが…
マルタ騎士団の闇 児童ポ○ノ問題
2つ目のマルタ騎士団の闇は児童ポ○ノ問題です。
2017年発行のイギリスの雑誌『TATLER(タトラー)』によると、2012年に修道会の一員であったクウェインタンスという人物は、児童ポ○ノのコレクションを所有していたそう。
欧米では児童ポ○ノは所持しているだけで処罰の対象ですし、ましてカトリックの修道会の一員がこのようなことをするのは一大スキャンダルです。
そして闇として問題されたのが、マルタ騎士団の調査の怠慢さだったとということです。
先ほども出てきた、当時のマルタ騎士団トップのフェスティング団長及び他の団員数名もこの問題に関して消極的で、楽観視していたような態度が批判を集め、問題となりました。
また、マルタ騎士団に絡んだ謎のお金の流れもよく噂されているそうです…
『フェスティング団長によって役職を解任された人たちは皆、マルタ騎士団の裏の金の流れを追っていたから追放された』という闇の噂もあるんだとか。
イギリスの雑誌『TATLER(タトラー)』の本文はこちらから
まとめ
マルタ騎士団の闇は医療と宗教から起こる考え方の違いによるものもでした。
マルタ騎士団は児童ポ○ノ問題に対して楽観視し、当時批判を集めた。
コメント