世界ふしぎ発見で紹介された現存する世界三大騎士団のうちの1つであるマルタ騎士団。このマルタ騎士団は独自の治外法権やパスポートを発行しており、『国土のない国』とも言われています。
今回はそんな現代にまで残るマルタ騎士団の入り方、マルタ騎士団のパスポートの入手方法、どんな人がマルタ騎士団に入れるのか(マルタ騎士団に入る基準)等をご紹介したいと思います!
マルタ騎士団公式ホームページの入団基準を日本語に翻訳したので参考にしてみてください!
マルタ騎士団になれるなんてかっこいいですよね!入団したいと思う方もいるはず。
どのような方法でマルタ騎士団には入れるんでしょうか?
マルタ騎士団の歴史・入り方は?誰でも騎士になれるの?
マルタ騎士団の歴史は?なぜ国土(領土)がない国なの?
まず簡単にマルタ騎士団の歴史をおさらいしておきましょう。
マルタ騎士団はテンプル騎士団、ドイツ騎士団と並ぶ世界三大騎士団の1つで、マルタ騎士団の役割はキリスト教徒の聖地であるエルサレムへの教徒の巡礼を手助けすること。
マルタ騎士団ということからも、元々はマルタ島に拠点を置く騎士団でした。
マルタ島は地中海にあるイタリアの南、ギリシャの西に位置する島です。
マルタ島には現在、マルタ共和国という国が存在します。
ですがマルタ騎士団は現在はマルタ島には拠点を置いていません。
理由は1798年、ナポレオンがマルタ島へ侵攻した際にマルタ島から追放されてしまったんです。
そして1834年から現在までマルタ騎士団は拠点をローマに置き、マルタ騎士団の所有する建物内での自治権や治外法権を最初にイタリアに認められたという歴史があります。
そのマルタ騎士団が所有する治外法権が認められた建物とは、団長が在中する治安判事宮殿とその別邸の2つです。
現在は112の国と国交のある『国土なき国』となっており、マルタ騎士団独自のパスポートも発行しています。
しかし現在マルタ騎士団と日本は国交を結んでいません。
歴史的にあまり関わりがなかったこと、領土を持たないというマルタ騎士団の異質な性質が日本との国交のないことに関係しているのでしょう。
もちろん現在は騎士団という名前ですが、軍事的な活動が目的ではなく、慈善活動などの平和的な活動を行なっています。
具体的には医療支援、医薬品の提供、難民の保護、生活物資の援助などが活動のメインで、戦争や自然災害で援助の必要な人々を支援することがマルタ騎士団の任務です。
最近ではウクライナでも支援を行ないました。
マルタ騎士団は現在は慈善活動の団体で、多くの職員やボランティアが働いているんです。
どのようにしてマルタ騎士団に入って働いてるのでしょうか?
マルタ騎士団への入り方(入団方法)は?
どうしたらマルタ騎士団へ入れる (入団できる)んでしょうか?そして騎士になれるんでしょうか?
それではマルタ騎士団の公式ホームページにマルタ騎士団への入り方の説明がありましたので日本語訳しました。
マルタ騎士団への良くある質問に『マルタ騎士団への入り方は?』という質問とその回答があったので翻訳しますと、
訳:『マルタ騎士団のメンバーは招待・推薦されることでメンバーとして認められます。
またマルタ騎士団のメンバーの人々は、真の献身的なカトリック教徒であること、長期間にわたってマルタ騎士団やその機関の人道的活動に尽力された方々によって構成されています。
大修道院や協会によってマルタ騎士団のメンバーになるか決定されます。』
つまり簡潔にマルタ騎士団への入り方をまとめると、
・現役のマルタ騎士団の団員の招待・推薦が必要
・真のカトリック教徒であること
・長期間にわたって人道的活動を継続してきた実績があること
・マルタ騎士団入団の最終判断は大修道院や協会に委ねられていること
さらに実際に騎士に任命される前に、12ヶ月間の騎士としての訓練や面接のような食事会もあります。
食事会に関しては、後述の2022年に日本人2人目のマルタ騎士団の騎士となった武田秀太郎さんの発言で、騎士になる前の1年間の修行期間と上級騎士達との食事会があったらしく、あとあと思えばあれも試験の一環だったのかもしれないとコメントしています。
さらに、マルタ騎士団の人道的活動に参加している人は医療関係者がほとんどなので、マルタ騎士団になるには医療関係者(医者や看護師)が優先されているんでしょう。
また、マルタ騎士団の公式な入団条件ではないですが、現在のマルタ騎士団の騎士は家柄に関係なく入ることはできます。
ですが実際のところ、マルタ騎士団のメンバーは基本的に貴族出身や、家族もマルタ騎士団であることが多いのも事実です。
ある家系ではほとんどの家族がマルタ騎士団に所属しているなんていう家系もあるくらいです。ですからマルタ騎士団のメンバーはヨーロッパ系の人が多くを占めています。
家族がマルタ騎士団に入っていると、推薦も受けやすくなるのでそういうことが起きるのでしょうね。
以上がマルタ騎士団に入るための入団条件です。
なるほど、マルタ騎士団に入るには他の騎士の推薦、カトリック教徒であること、長期間の人道的活動が必要なんですね!
日本人がマルタ騎士団に入るには具体的に何すればいい?
それではマルタ騎士団に入る条件がわかったとことで、実際に具体的にどうすればよいいのでしょうか?
現在マルタ騎士団の騎士は13,500人で男性のみならず女性も所属していて、さらに52,000人の従業員、95,000人のボランティアが所属しています。
実はマルタ騎士団ではボランティアを随時募集していて、世界中にマルタ騎士団の人道的活動を行うための支部があります。
マルタ騎士団に入りたい方はこの世界中にある支部のどこかにまずは所属し、人道的活動の実績を積むのがいいでしょう。
そこで『じゃあ日本のマルタ騎士団のボランティア支部はどこにあるの?』ということなんですが、実は先に述べた通り日本はマルタ騎士団と国交を結んでいません。
そのためか日本にマルタ騎士団の活動支部はないんです。
アジアの日本から近いところの支部だと、フィリピン・韓国・香港・シンガポールに支部があります。
マルタ騎士団のアジア支部と連絡を取りたい方は、こちらのマルタ騎士団支部連絡先からどうぞ!
・マルタ騎士団支部連絡先はこちら
日本にマルタ騎士団の支部がないのは残念です。
日本人のマルタ騎士団員が少ないのもこういった理由からなんですね。
ですがマルタ騎士団の支部が日本にないからといって、マルタ騎士団に入れないというわけではありません!
2022年6月に90年ぶりにマルタ騎士団の騎士に任命された日本人がいます。
九州大学准教授の武田秀太郎さんです。
武田さんがマルタ騎士団のナイトになれた経緯としては、マルタ騎士団の支部のボランティアをしていたわけではなく、京都大学在学時に青年海外協力隊や国連職員(国際原子力機関)として長期間人道的活動に尽力し、貧しい東南アジアの国々を支援してきた背景があります。
武田さんは香港でもインターネットを利用したリモート教育の人道的活動に従事されていたので、香港のマルタ騎士団の支部と連携していたのかもしれませんね。
武田さんの実績から見ても、マルタ騎士団に入るには人道的活動の実績が最も大切なんでしょう。
実際に武田さんが人道的活動をしていた期間は大学時代から国連職員、そして現在に至るまでの期間なので約10年は人道的活動をされていたと思われます。
マルタ騎士団に入る条件の『長期的な人道的活動を行なってきた実績があること』の1つの目安として、『10年の実績』というのは適切な期間なんでしょう。
マルタ騎士団のパスポートの入手方法は?
そんな国土を持たないマルタ騎士団のパスポートはどのようにして入手することができるのでしょうか?
マルタ騎士団のパスポートは世界に500人ほどしか持っておらず、『マルタ騎士団のパスポートは世界一希少なパスポート』と言われています。
このマルタ騎士団のパスポートは外交パスポートと言われ、マルタ騎士団のパスポートはマルタ騎士団の外交に関わる500人のみが所有しているものです。
したがってこのパスポートはマルタ騎士団の騎士が全員持っているわけではないんです。
このパスポートはEUでは認められているそうですが、国交のない国では使えません。
マルタ騎士団のパスポートで入国できる外国は限られていそうですし、そもそもマルタ騎士団の外交に関わる人間にしか発行されないのでマルタ騎士団のパスポートを入手することは相当難しいと思います。
マルタ騎士団の騎士でも、外交に関わる役職でなければパスポートはもらえないんですね
そんなマルタ騎士団が世界ふしぎ発見に登場です!
国土を持たない国・マルタ騎士団が世界ふしぎ発見!に登場します!
番組では日本ではあまり知られていないマルタ騎士団の特集なので、放送が楽しみですね!
まとめ
マルタ騎士団の入り方(入団方法)
・現職のマルタ騎士団の騎士の招待・推薦が必要
・真の献身的なカトリック教徒であること
・長期的な人道的支援を行なってきた実績があること (青年海外協力隊など)
・大修道院・協会の認可がいること
・騎士になる前に12ヶ月間の修行期間があること
・医療従事者が入りやすい
・家系にマルタ騎士団のメンバーがいると入りやすい
マルタ騎士団のパスポートの入所方法
マルタ騎士団に入団し、かつマルタ騎士団の外交に関わる役職に就いた場合にのみマルタ騎士団のパスポートが発行される
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